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西利流!ちょっと”粋”な祇園祭の楽しみ方ガイド

京都の夏といえば、祇園祭。
華やかな山鉾巡行で知られますが、毎年7月1日に始まり、31日の夏越祓までの一ヶ月に渡って、伝統に則ったさまざまな行事が行われることをご存知でしょうか?
2019年は、祇園祭の創始から1150年という節目の年。長い歴史の中で受け継がれてきた人々の思いや伝統を感じ取るのも、祭見物のさらなる楽しみでしょう。
今回、生まれも育ちも京都である弊社代表の平井誠一に祇園祭について話を聞いてみました。

祇園祭の季節、ちょっと”粋”なあれこれをご案内します。

日本三大祭のひとつ、祇園祭

ーー今日は、よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。

ーー祇園祭ではどんな楽しみ方がオススメですか?

山鉾や縁日を見て回るというのは、今も昔も定番の楽しみ方ですよね。ですがそれだけではなく、宵山の時期には、鉾町の旧家や老舗がそれぞれの所蔵する美術品・調度品を公開しているんです。普段見れない宝物を見て回るのも一つの楽しみ方ですよ。

ーー京都の企業人としては、どのように関わられてきましたか?

そうですね、京都青年会議所に所属していた頃は、鉾の曳き手ボランティアを務めるなど、お祭りを守り、盛り上げる活動に関わらせていただきました。

ーー京都の方にとって、祇園祭は特別なお祭りなんですよね。

ええ、うちは鉾町ではなかったんですが、祇園祭は、古くから鉾町の町衆の方々がその伝統を次の世代へとつないできたお祭りなんです。歴史を知ると違った見方ができますよ。

何度も災難にあった!?祇園祭の知られざる歴史

平安時代前期、京都をはじめとする各地で、天変地異や疫病が流行しました。そのような状況で全国の平安を祈るべくおこなわれたのが、神泉苑に当時の国の数と同じ66本の矛を立て、祇園社(八坂神社)から3基の神輿を送る御霊会(ごりょうえ)という儀式です。 この「御霊会」が、祇園祭の起源とされています。


今でも山鉾巡行の日の夕刻には、三基の神輿を神様の宿である御旅所(おたびしょ)に迎える神事が行われます。

現在、御旅所は四条寺町にありますが、かつては烏丸高辻の大政所御旅所(おおまんどころおたびしょ)と、烏丸竹屋町の少将井御旅所(しょうしょういおたびしょ)の二ヶ所がありました。これを統合して現在の場所に移したのは、あの豊臣秀吉です。

山鉾が今のように華やかなものになったのは、室町時代。四条室町を中心に京の町衆たちが自治組織を結成し、各町で工夫した山鉾を作り巡行させるようになったことが始まりです。

戦国時代の法華一揆の影響で、祇園社の祭礼が中止になる事態となった時、鉾町の人々が神事これなくとも山鉾渡したし(祇園社が神事を行わなくても、我々、町衆は山鉾を巡行し、町から厄病神を払いたい)と訴え、町衆が主体となって巡行を強行したと云われます。
その他にも応仁の乱による中断、また江戸時代に三度の大火に見舞われた時にも、多くの山鉾が焼失しましたが、そのたびに町衆の手によって再興されてきました。

ーー歴史を知ると、町衆の人々の想いが伝わってきますね。

祇園祭を支えてきた町衆の覚悟を感じますよね。今もなお、山鉾はそれぞれの鉾町の人々によって守り継がれ、鉾建てから巡行まで、大半がボランティアでさまざまな役割を完全分業制で行なわれているんです。祇園祭を支える人々の様子を見聞きするのも、より深い楽しみ方ではないでしょうか。

「伝統をつなぎたい」祇園祭を支える人びと

釘を一本も使わず、山鉾を組み立てる建方
鉾は毎年解体して保管するため、釘を使わずに荒縄だけを使った伝統の工法で組み立てられます。縄の締め方の模様は最終的に見えないにも関わらず、見た目も美しいものに仕上げられています。


約10トンもある山鉾を動かす車方
鉾は、車方が赤樫(あかがし)の木でできた「かぶら」という棒状の道具を使って鉾の方向を直し、かつ全体を見て調整しながら進められます。山鉾だけでなく、動かす人々にも目をこらすと、祇園祭の魅力をより楽しむことが出来るでしょう。


祇園祭を影で支える資材方
祭礼の神事や儀式に備えて、かなりの数になる衣装や道具、懸想品などは資材方によって、すべてが管理・保存されています。華やかな行事や巡行の裏側には資材方の努力を垣間見ることができるのです。


一年を通して稽古を重ねる囃子方
「コンチキチン♪」というおなじみの祇園祭のお囃子。囃子方(はやしかた)と呼ばれるお囃子の演者によって、宵山や山鉾巡行において鉾の上から奏でられる様子は、京都の夏の風物詩になっています。

祇園祭の主役は“お稚児さん” 

多くの町衆によって支えられてきた祇園祭ですが、その主役ともいえるのは、神様の使いの役割を持つお稚児さんです。

7月1日の「お千度の儀」をはじめ、13日の「社参の儀」など数多くの儀式を経て、17日の山鉾巡行の開始の合図である「注連縄切り(しめなわきり)」など務めます。

かつて船鉾を除くすべての山鉾には、「お稚児さん」が乗っていましたが、現在は人形がその役を務め、現在の生身の子どもである「生稚児(いきちご)」が乗るのは、巡行の先頭を行く長刀鉾のみになっています。

ーー2014年には、息子さんが長刀鉾の稚児を務められましたね。どのような思いでしたか?

私たち家族が大役を務めさせていただいたのは、祇園祭の長い長い歴史のごく一部分です。だからこそ、精いっぱいお務めさせてもらって、次の歴史につないでゆきたいという気持ちでした。稚児係をはじめ、祭を支える方々の伝統を受け継ぎ歴史をつないでいく姿勢をみて、伝統の重さと誇りをひしひしと感じましたね。


稚児家の床の間に設けられた祭壇と結納飾り
お稚児さんは、長刀鉾の鉾町から出すために、長刀鉾町は、選ばれた男児と養子縁組を結びます。その際には、結婚の時のように「結納の儀」が行われるなど、表には見えない伝統を守る鉾町の想いがあるのです。


“うろこ髪”と呼ばれる「お稚児さんカット」
稚児は、前髪をまっすぐに切りそろえ、襟足は鱗(うろこ)と呼ばれる三角形にそり上げます。理髪の儀は、「お千度の儀」から山鉾巡行までの約半月で4回もあり、儀式ごとに異なる冠に合わせ、徐々に全体を短くしていきます。


「神事の化粧」を手がける化粧方
稚児は白塗りの化粧をし、神に仕える装束に身を包みます。


お稚児さんは地面に足をついてはいけない!?
7月13日の「社参の儀」の後、お稚児さんは神様のお使いになります。そしてこれ以降は精進潔斎のため、食事もお風呂も寝るときも、お稚児さんの身の回りの世話をするのは男性のみ。そして社参の儀や鉾への乗降の際は、お稚児さんは強力(ごうりき)と呼ばれる人に担がれ、地面に足をつけることが出来ないのです。

祇園祭と「京つけもの西利」

ーー京の老舗企業ならではの“祇園祭の楽しみ方”を教えてください!

毎年、7月のあいだ、祭見物に訪れる方や、お客様に楽しんでいただきたい想いで祇園店の4階ギャラリーで祇園祭つれづれ展を開催しています。
山鉾巡行の写真のほか、歴代の稚児の記念扇鉾町の粽(ちまき)紙工芸品の山鉾を並べるなど、毎年テーマを少しずつ変えているんですよ。

ぎゃらりぃ西利 特別企画展 〜祇園祭つれづれ展〜
【日程】令和元年(2019年)7月1日(月)〜7月31日(水)
【会場】京都市東山区四条通祇園町南側 京つけもの西利 祇園店4階
【時間】11:00〜19:00

 


祇園祭の粽
祇園祭の粽は邪気を払い、疫病や災難をよけるお守りで、食べられません。飾り粽には、蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)と記した護符がつけられています。これは、八坂神社の主祭神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が旅の途中、宿を探していた時に貧しい兄の蘇民将来(そみんしょうらい)と裕福な弟である巨旦将来(こたんしょうらい)に出会い、弟は断ったが兄は粗末ながらももてなしたという故事にちなむもの。感謝した素戔嗚尊は「蘇民将来之子孫也」の護符を持つものは疫病を免れしめると約束されたと云われます。

ーー祇園祭の期間限定で、冬の京漬物である「千枚漬」が発売されていますね。

はい、7月14日から17日までの期間限定で、「夏の千枚漬を販売しています。千枚漬は元来冬のお漬物ですが、長年の研究と西利の技術力によって、夏にもおいしく味わえる千枚漬を1990年から販売し始めました。

ーー店頭に並んでいるのを見たら、誰もがびっくりしますね。

季節を考えるとやはり意外ですよね。しかしながら冬の風物詩である千枚漬も大切にすべきです。そこで、真冬の味を真夏に出すということを、お祭りの時期だけのちょっとした洒落心として、お客様に楽しんでいただこうと思ったんですよ。


“京の冬の風物詩” ともいわれる「千枚漬」

ーー西利ならではの“粋”な楽しみ方というわけですね(笑)

そうなんです(笑)
でも遊び心だけでなく、味のほうもご好評いただいていますよ!暑い夏に冷えた千枚漬というのも、これまたよく合うんです。



ーーパッケージに描かれている絵はなんでしょうか?

これは山鉾巡行の当日に長刀鉾の稚児が頭に被る花天冠(はなてんかん)という金銀丹青で彩られた宝冠です。稚児家を務めさせていただいた時、日本画家の森田りえ子先生に稚児記念扇にその宝冠を描いていただきました。
皆様の無病息災を祈念して描いてもらった絵をパッケージに使っていますので、お土産としても利用していただけると嬉しいですね。


瑞鳥(ずいちょう)の鳳凰を金銀丹青で美しく彩られた「花天冠」

ーー本日はありがとうございました!

ありがとうございました。祇園祭に訪れた際は、ぜひ西利にもお越しくださいね。

平井誠一
「京つけもの西利」代表取締役社長。2014年に長刀鉾稚児奉仕者として稚児家を務め、2015年に「祇園祭とお稚児さんーつなぐ人達ー」を発行する。社業の傍ら、京都観光振興計画2020マネジメント会議委員、京都市未来まちづくり100人委員会代表、京都市基本計画審議会融合委員会副委員長、京都文化祭典連絡協議会座長を務め、京都の未来を見つめた活動にも力を注いでいる。

「夏の千枚漬」のご案内

商品はこちらからご購入いただけます。

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