京つけもの西利

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旬を楽しむ

夏野菜が育つ畑を訪ねて〜西利の畑の匠たち〜

おいしい漬物は、おいしい野菜から

旬の恵みを凝縮させた味、お皿の上での美しい姿、西利の漬物は、全国の契約農家から届く、そのとき最も美味しい野菜からつくられます。「西利クオリティ」を守る野菜の匠を「味わいの郷工場」のある、京都の丹後に訪ねました。

 

【千両茄子】
自慢はつやつやで濃い紫。
傷一つない皮と絶品の歯ごたえ

「野菜の栽培はなんといっても自然との闘いです」と話す大内裕揮さん。 西利の契約農家になって3年。「千両茄子」を育てるにあたり、何より気をつけているのは傷のない長卵形に育てること。 実はしまっていますが、皮はやわらかく、ちょっとした風で擦れて傷ついてしまうのだそうです。

大内裕揮さん、智恵さん

6月から10月の間に収穫するということもあり、台風や大雨などの被害には注意が必要です。天気予報をこまめにチェックするのも大内さんの日課。手間はかかりますが、濃紫色で色艶のいい千両茄子が育ったときの喜びはひとしおだそう。歯切れがよく果肉の柔らかい千両茄子は、あっさり漬や糠漬に。西利の夏の店頭を賑やかに彩り、そしてギフトにも欠かせない人気商品となります。

 

【かぼちゃ】
皮までやわらか。
収穫時期の見極めが何より大切

「1年半ほど前から、妻の実家の農家を手伝っています。まだまだ義父を見習う日々で苦労もありますが、いい野菜が育ったときはうれしいものですね。野菜作りの仕事は自分なりの工夫もでき、やりがいがあります」と話す福田さん。西利の契約農家さんの中でも、若手のホープとして期待されるおひとりです。育てているのは、コロンとした小ぶりの「えびすかぼちゃ」。西利のあっさり漬で人気です。適度な食感にするには、皮も実も柔らかなうちに若採りする必要があり、その時期を見極めるのが肝心だといいます。

福田翔さん

さらに、通常の畝では実が地面に接して皮に傷がついてしまうことがあります。そこで、伸びてきた蔓に支えをつけ地上から高い位置でアーチ型にしてかぼちゃを育てるという工夫をしました。美味しさだけでなく商品としての美しさも追求し、試行錯誤するのも若手ゆえの柔軟さ。色が美しく、皮まで食感良くおいしいかぼちゃのあっさり漬は、このような農家さんの心配りがあってのことなのです。

 

【四葉胡瓜】
昔ながらの豊かな風味。
棘のようなイボイボも味のうち

西利が漬物にしている「四葉胡瓜」は、一般的な胡瓜に比べ、大きさは1.5倍。緑色が濃く、手で触るとチクリとするイボイボがあるのが特徴です。本葉が4枚つく頃が収穫時期。これが「四葉胡瓜」の名の由来とも言われています。

石田知良さん

わずかな時期しかとれないこの胡瓜を西利が選んだのは、皮が薄いのに実は歯ごたえ抜群、そのうえに昔ながらの胡瓜奈良ではの濃厚な味や香りがあるから。漬かりやすく風味をそのまま生かせるのも特徴です。
丹後の地で「四葉胡瓜」を育てるのは、西利の契約農家になって20年という達人、石田知良さんと息子の栄利さんです。「四葉胡瓜のなかでも、まっすぐで長いものだけを西利さんにお届けします。イボイボもこの胡瓜の特長ですから損なわないよう、手袋をして丁寧に扱っています」と石田さん。

 

【白瓜】
肉厚で引き締まった食感。
あっさり漬に最高

西利のあっさり漬は、野菜そのものの味を楽しむ漬物。その筆頭が瓜でしょう。 宇野朝子さんがつくる肉厚でひきしまった白瓜は、シャクッとした食感もありながら、旨味を含んで逃さない繊細な肉質が自慢。

宇野朝子さん

独特のほのかな苦味も、瓜ならではの風味です。地面を蔓が覆う広い瓜畑。宇野さんは葉の下で丸々と育った瓜の一つ一つに目を配ります。「白瓜は歯切れがよくて味が淡泊です。その性質を生かすには、葉の下で育て陽にあてないようにするのが大切。そうすることで、やわらかで白い皮の美しい実に育ちます」。

 

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