京つけもの西利

八月〈葉月〉

処暑【しょしょ】

8月23日頃

暑さがおさまり、朝夕過ごしやすく。虫の音が聞こえ始めます。

今月の京都

瓢箪型の京野菜“鹿ケ谷かぼちゃ”

伝統的な京野菜のひとつ、鹿ケ谷かぼちゃ。瓢箪型が特徴のこのかぼちゃは「おかぼ」と呼ばれ、京都の人々に親しまれてきました。
鹿ケ谷かぼちゃが生まれたのは江戸時代。青森県の津軽地方から伝わった種を大文字山の麓である鹿ケ谷で育てているうちに、現在のような瓢箪型になっていったのだとか。明治時代中頃まで、京都でかぼちゃといえばこの鹿ケ谷かぼちゃだったというほど、人々にとって馴染み深いもので、煮崩れのしにくさから特に煮物にして食べられることが多かったといいます。
味は淡白ですが、栄養がたっぷり含まれており、「夏の土用の日に、鹿ケ谷かぼちゃを食べれば中風にならない」ともいわれたそう。これにちなみ、京都の安楽寺では8月を目前に、無病息災を願って鹿ケ谷かぼちゃの煮物を振る舞う「鹿ケ谷かぼちゃ供養」が行われます。
最近では鹿ケ谷かぼちゃが食卓に登場することも少なくなりましたが、京都の食文化のひとつとして、大切に守り継いでいきたいものです。

【監修】
植物遺伝学者/京都府立大学文学部教授/農学博士
佐藤 洋一郎

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